今回は、脱出と物語の完全な融合を目指した脱出ゲームキット「ESCALOGUE」シリーズから、『アリスと謎とくらやみの物語』を購入し、実際にプレイしてみましたので、その時の感想、レビューをしていきます。当記事では極力ネタバレがないように気を付けていますが、少しでも事前情報が入るのが嫌な方は先に『アリスと謎とくらやみの物語』を購入、プレイされることをオススメします。
この記事を読むと分かること
- 『アリスと謎とくらやみの物語』ってどんなの?
- プレイ時の様子や感想
- 個人的な評価(5点満点)
『アリスと謎とくらやみの物語』とは?
基本情報
『アリスと謎とくらやみの物語』は自宅で楽しめる脱出ゲームキットとなっています。脱出と物語の完全な融合を目指すESCALOGUE(エスカローグ)シリーズの第1作であり、謎製作を数々の体験型脱出イベントを手掛けてきたパズ.rar(パズラー)さんが、ストーリーを「サクラダリセット」で知られる河野裕さんが担当しており、一流の謎とストーリーが見事に組み合わされています。
タイトル | アリスと謎とくらやみの物語 |
人数 | 1~6人ほど |
プレイ時間 | 90分~180分程度 |
定価 | 税別2800円(Amazon) |
発売日 | 2018年9月 |
製作 | グループSNE ラ・シタデール |
内容物
脱出ゲームキット『アリスと謎とくらやみの物語』の内容物を確認していきましょう。
- 説明書
- 物語シート ×4
- ロウソクタイル ×26
- 謎カード ×11
- 手がかりカード ×20
- アイテム ×3
以上が立派な箱型のパッケージの中に入っています。
プレイの流れ
プレイに必要なものは
・『アリスと謎とくらやみの物語』キット本体
・スマホ(LINEアプリがインストールされたもの)
・メモできるもの
・広い机
準備ができたら、説明書に書かれているQRコード、またはURLを直接入力することで専用のLINEアカウント「くらやみの国bot」と友達になりましょう。
LINEアカウント「くらやみの国bot」との会話ルームの様子です。操作としては基本的には「続きを読む」などのボタンを押すか、解答や調べたい箇所を文字で入力することで進行していきます。botから画像で物語の文章やアイテムを開放する指示などが送られてきます。
ここでアリスとの対話を楽しむことも可能になります。
ゲームを進行していく過程で、
- 物語カード
- ロウソクタイル
- 謎カード
- 手がかりカード
- アイテム
のいずれかを手に入れながら物語が進行していきます。
そして、物語シートにロウソクタイルを並べていくことで真っ暗な世界を照らし、脱出を目指していくことになります。
ロウソクタイルは主に謎カードに書かれた謎を解くことで手に入れることができます。
手がかりカードやアイテムは謎を解く際に必要になってきます。
手がかりカード、アイテムは物語の主人公「アリス」に周囲を探索してもらうことでも手に入ることがあります。
そうして、謎を解きながら物語を読み進めていき、全ての謎を解き明かしたらゲームクリアです。
プレイした感想
ここでは私が実際に『アリスと謎とくらやみの物語』を購入し、プレイした際の率直な感想を述べていきたいと思います。
まずパッケージですが、しっかりした材質のB5よりひと回り小さいくらいの箱になっています。正面には、まるで人形を撮影したような繊細なアリスのイラストが全面に描かれており、迫力満点です。
箱を開けると、色とりどりの様々なコンポーネントが目に入りますが、そのそれぞれが童話「不思議の国のアリス」の世界観を反映したデザインになっており、統一感やクオリティの高さがこれから始まる物語への期待を一層膨らませてくれます。
早速、LINEで「くらやみの国bot」と友だちになり、ゲームをスタートしました。このLINEでのトークルームによってゲームの進行と主人公アリスとの対話を行うことができます。具体的にはアリスに探索してほしい箇所を伝えるとそこを探してくれたり、近くにあるものを教えてくれたりします。アリスに探索できる箇所を教えてもらえるヒント的な機能があるのですが、アリスと話をしたいがために必要ないところで訊いてみたりするのが楽しかったです。
さて、肝心の謎解きの方ですが、序盤は難易度控えめで謎解き初、中級者向けの謎といった感じでした。後半になるにつれて謎の難易度は上がっていき、少し詰まる部分もありましたが、解けたときの達成感も強くなっていきました。終盤の謎はかなり美しいもので、閃いたときには感嘆すること間違いなしです。
ストーリーは童話「不思議の国のアリス」のアフターストーリーのようなもので、アリスが久しぶりに不思議の国に迷い込んでしまった。しかし、そこは暗闇の世界だった。というような設定です。登場する個性豊かなキャラクターたちが上手く描写されており、童話の世界に入りこんだような没入感を感じられました。
レビュー
良かった点
まず、イラストやデザイン面のクオリティがとても高いです。観賞用のアイテムとしても十分に成立ほどで眺めるだけでも楽しめます。
続いて、ストーリーに関しては、プロが書いただけあって読み物としても面白いものになっています。担当した河野裕さんの代表作「サクラダリセット」はアニメ版を視聴しましたが、とてもよくできたストーリーだったのでオススメです。
謎に関しては、難易度はそこまで高くはありません。ヒント機能も充実してますので、謎解き初心者や中級者も終始楽しんでプレイしていただけると思います。もちろん、謎解き上級者も楽しめるような手ごわい謎もありますし、謎の伏線やラスト謎の仕掛けなどは閃いた時には相当な爽快感があります。
公式LINEアカウントも問題なく機能しており、快適なプレイが可能でした。LINEというツールを上手く活用しており、ストーリー上とも上手くマッチしているので、ゲームシステムとしても文句のつけようがありません。
改善点
特に改善点、気になったところはありません。全体を通してクオリティの化け物のような作品だと思います。プロの力は凄いということをまじまじと見せつけてくれています。
しいて上げるならコストの面になってくると思います。値段は他の脱出ゲームキットに比べて安いというわけではありません。これだけのクオリティのものなので値段が多少張るのは仕方ありませんが、高いと感じる人もいるかも知れません。
総合評価
コスト | |
謎 | |
デザイン | |
システム | |
総合評価 |
※「コスト」はコストパフォーマンスという意味合いを含みます。「謎」は謎自体のクオリティの高さであり、難易度ではありません。デザインは、コンポーネントの出来やイラスト、動画などの出来栄えの高さを表します。システムはゲームのシステム、使用するアプリ、ウェブサイトのコーディングの部分を評価したものです。それぞれの4項目の平均で総合評価とします。
あとがき
最後までご拝読いただきありがとうございました。
こちらの作品は特に物語の世界への没入感が凄かったので、私自身が謎解きを製作する際に参考にさせていただきたいと思いました。
脱出と物語を融合させたESCALOGUEシリーズは、第2弾となる脱出ゲームキット『シャーロック・ホームズの追悼』も発表されていますので、今度遊んでみようと思います。
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